びたーびたーちょこれーと。






しばらくして長月は私を後ろに乗せて自転車で送ってくれた。


「しっかり掴まれよー!!!!」

「うんー!!」


流れる風。巡る景色。



夏色の風景はキラキラ輝いていて、綺麗だ。




伝えてしまいたい。
この想い。


でも、臆病になってしまって言える訳がない。




いつか伝えられたらいいのに。

『好きだよ』



って。


「水無月、着いたよ」


「あっありがとう…」



自転車を降りて、鞄を受けとった。


「じゃあな」

長月は自転車で颯爽と去った。



この日以来、長月と話す機会はめっきりなくなった。






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