びたーびたーちょこれーと。
で、時々私に来るんだけど。
「やっべ!」
師走と長月は走っていった。
私は千咲に小さな嘘をついた。
長月を見つめていたのは、苦手意識からだった。
何となく、嘘をついた。
ある日。
「次音楽だね」
千咲が教科書を机に出しながら言った。
「あ、そっかぁ」
私も教科書を机に置きながらふと色々思い出した。
音楽というとやっぱピアノが頭に浮かぶし、合唱コンクールを思い出す。
長月は確か去年伴奏者賞をとった奴だよな。
………何となく、あの頃色々言われていた事を思い出す。
音楽室に行くと、長月がピアノを弾いていた。