びたーびたーちょこれーと。
(まずは普通に並縫いね)
自慢じゃないが、手先は器用な方。
針に糸を通し、さっさと縫った。
他の縫い方、ボタン付け、まつり縫い……。
どんどん進め、10分程度で終わった。
「ほら、水無月さんなんてもう全部終わったわよー!みんなもチャッチャとやりなさーい」
先生が私の練習布を見て言った。
「すげー水無月」
「未琴ちゃん器用だねー」
クラスがざわついて、私は恥ずかしかった。
「嘘だろ…!」
師走は目を見開いて、私の布を見た。
「完璧だな」
長月がほぅ、と呟く。