びたーびたーちょこれーと。






「くっ、俺なんかまだ並縫いも出来てねぇのに……!」


師走の布を見ると、ぐちゃぐちゃな縫い目。


「布に補助線ついてるのに…」

私が呟くと、師走は立ち上がって私を指差した。



「自慢じゃないが俺は家庭科が苦手だ!!!!」

「見ればわかる」


私の一言で師走が固まった。


「ぶっ…」

長月は思わず噴き出し、師走に頭を叩かれた。



「まずな、針に糸が通らねぇ」


「糸通し使えば」

「俺壊れたー、望夢、あるか?」

「俺も壊れた」


師走はジッと私を見つめる。


「うちもないっての!」


「使えねぇな…」

師走は鼻で笑う。



「はあ!?自分で出来ないてめぇが悪いんだろ!むっかつくー!!!」


師走はどんだけ俺様なの!?






< 27 / 148 >

この作品をシェア

pagetop