びたーびたーちょこれーと。
水無月は師走から針を引ったくり
有り得ないくらいのスピードで針に糸を通し、玉結びまでして師走に手渡した。
「「すげぇ…」」
マジで水無月の手の器用さにはびっくりした。
水無月は感心されたことに照れたのか、顔を紅くした。
と、水無月が俺を見た。
「長月、並縫いそこじゃないよ」
水無月に言われて見ると、違う縫い方の場所に並縫いしていた。
「あっ!最悪ー…」
縫った糸をハサミで切りながら、俺は黙って水無月に針を差し出した。
「………糸を通せと?」
「よろしくーっ♪」
はぁ、と言いつつ水無月はさっさと糸を通してくれた。