びたーびたーちょこれーと。
俺が見る水無月は大抵怒っていた。
水無月の笑顔を真っ正面から見て、胸の鼓動が速まった。
「あっ出来たーっ!長月、出来たよ!」
水無月が俺に笑顔で針を差し出した。
「サッ、サンキュー…!」
針を持った瞬間、少しだけ指が触れた。
(っ……)
水無月の指の熱が俺の指先を熱くする。
「なんだぁ~?水無月に惚れた?」
師走が耳元で囁いた。
「バッカ、違うっつの!」
なんだろ、この気持ち。
赤く火照った顔が熱い。
師走と笑いながら話している水無月を見て、俺は師走が羨ましく思えた。