びたーびたーちょこれーと。
「未琴ちゃん、やるよー!」
遠くから千咲が呼んでいる。
「今行くっ!」
うちはラケットを持って千咲の元へ駆けて行った。
その時、楽譜が1枚落ちた。
長月がそれを拾っていたのは知る由もなかった。
「終わりー!」
男子部長の声で後片付けに入った。
「ふぅ…」
(12時だ、お腹減ったなー)
なんて考えながら、ボール拾いをしていた。
卓球の球は割れやすいから、床にたくさん割れたのが落ちている。
拾っていると、誰かが私に割れたボール入れを差し出した。
「ほら、俺が捨ててくるから入れろ」
見上げると、それは長月だった。
「あ、ありがとう」
ボールを入れて、私はまたボール拾いを再開した。