びたーびたーちょこれーと。






「未琴ちゃん、やるよー!」

遠くから千咲が呼んでいる。


「今行くっ!」

うちはラケットを持って千咲の元へ駆けて行った。



その時、楽譜が1枚落ちた。

長月がそれを拾っていたのは知る由もなかった。




「終わりー!」

男子部長の声で後片付けに入った。



「ふぅ…」


(12時だ、お腹減ったなー)

なんて考えながら、ボール拾いをしていた。



卓球の球は割れやすいから、床にたくさん割れたのが落ちている。


拾っていると、誰かが私に割れたボール入れを差し出した。


「ほら、俺が捨ててくるから入れろ」


見上げると、それは長月だった。


「あ、ありがとう」


ボールを入れて、私はまたボール拾いを再開した。






< 38 / 148 >

この作品をシェア

pagetop