びたーびたーちょこれーと。
「お前、もうほぼ完璧じゃん」
窓から差し込む光が夕日に変わりつつある。
俺は水無月にパッキンアイスを半分手渡した。
「ありがと
長月の教え方が上手いんだよ」
水無月はアイスをくわえて俺の方を見た。
「…なんだよ?」
「ううん」
水無月は少し俯いて、アイスを食べていた。
「……」
「……」
ひぐらしの鳴き声が聴こえる。
「そろそろ帰らなきゃな…」
「そうだね」
本当は、返したくない。
もっと一緒にいたいなんて少し思ってしまう。
でも、彼氏じゃない俺にそんな権利はない。