びたーびたーちょこれーと。
「みみ、水無月…っ」
「未琴ちゃん休憩じゃないの?」
千咲は首を傾げる。
「先生に言われてね、やらされてるの」
うちは師走に見つかる前に颯爽とその場を去った。
(私が長月を好きなんてまで師走に噂されたら否定しきれなくなる……)
「あ…れ…?」
【気になる】なら否定出来るじゃん……。
【好き】なら、否定しきれなくなる……。
「私……」
交代の合図の電子音が体育館に響いた。
うちは急いでボールを片付け、ラケットを持って台に移った。