びたーびたーちょこれーと。






夏の残暑はどこかへ居なくなり、すでに秋真っ只中。

合唱コンクールの練習が本格化してきた。



相変わらず長月とは話せず、師走は煩い。


「望夢ー、水無月の使ったピアノで伴奏弾けるぜ~w」

「だぁら好きじゃねっつの!」



長月のこの言葉を耳にする度苦しくなる。


私は好きになってしまった。


長月が、好き………。



感傷的になる秋は、私の切ない気持ちを更に掻き立てる。


(必死に隠し通すしかないよね…
長月に迷惑はかけたくないし)


楽譜を見る度、あの夏を思い出す。






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