びたーびたーちょこれーと。
010 「嫌いだよ」
「嫌いだよ」
何が、という話なのだが…。
今日は自然教室のオリエンテーリングの話し合い。
水無月と俺が話していると、師走はめちゃくちゃ不機嫌な顔をしていた。
話し合いは終わり、水無月が先生に呼ばれ、その場を立った。
班員の睦月と卯月は席に戻って喋っていた。
「望夢、お前やっぱ水無月のこと……」
師走が俺の肩を掴んだ。
「嫌いだよ」
きっぱり言い放った。
でも、すれ違い様に
「の反対」
と呟いて、席に戻った。
師走、宣戦布告だ。
友達だけど、今日から恋敵だ。