びたーびたーちょこれーと。






とりあえず、指揮者に合わせて………。




(失敗シタ。大失敗ダ。)


このあと、私はどんな伴奏を弾いたか覚えていない。


唯一覚えていることは、頭が真っ白だったということだ。




席につき、指揮者の子が泣き出した。


私が泣きたいくらいだ。




不思議と涙が出なかった。


涙が出ないくらい、悔しかった。
自分に、腹立った。




無力さを、知った………。






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