最後のときめき
今日は入学式。
オフホワイトのスーツ。
靴はお姉ちゃんからお祝いにもらった黒のパンプス。
ヒールの高さの分だけ、大人の気分。
講堂へと続く階段も軽やかに昇っていく。
講堂に入り一番近い空いた席を見つけ座った。
式が始まるにはまだ早いが、ずいぶん席は埋まっていた。
「隣いい?」
声がする方を見上げると背の高い綺麗な女の子。
「うん。どうぞ。」
彼女は座って、こちらを見て笑顔で、
「私、本庄麻子。よろしくね。」
「私は増川綾。こちらこそよろしく。」
これが無二の親友となるひとり、麻子との出会い。
麻子は地方から来て、大学の近くのマンションに一人暮らしらしい。
初日から意気投合した私達。
見た目はお姉さん風なのに話すと、すっごく可愛い麻子。
お互いの話で盛り上がっていると、前の席の女の子が振り向いた。
「私も一緒に座ってもいい?」
「もちろん。よろしくね。」
「1人で不安だったんだ。良かった。」
愛くるしい笑顔の彼女が、もう1人の親友となる七浜久美子。
こうして私の大学生活の大切な友達と出会えた。
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