雪中恋心
大人になるまで不必要な知識で、不必要な経験。
知識があったから、間違いは起こらなかった。
でも、それでも知識があったから、私は元彼を嫌いになってしまった。
あんなに優しくて、幸せな時間をくれた人だったのに。
…いや、そのことはもういい。
そんなことより。
「て、あれ?彼女、作んないの?」
『うん。ていうか、よく分かんないんだよね。恋愛とか。』
「…私もよく分かんないかな。」
『そうなの?あいって彼氏いたんじゃなかったっけ?』
「そうなんだけど…わかんなくなっちゃった。恋人同士の好きとか、そういうの。」
『ふーん……そうなんだ。』
「でもけいくんは好きよ?」
『えへへー、僕もあい好きー!』
彼と私は、お互いに「相方」という関係を認め、放送を繰り返していた。
友達ではなく、親友でもなく。
相方。
そしてお互いが、お互いに特別な存在だと思っていた。
そう、特別。
恋人ではないが、特別な人なのだ。
いつしか、「好き」と言えるようになっていた。
その意味は、分からないまま。
友情?
愛情?
分からないまま。
ただ、特別で、大切で、大好き。
それだけ。
それだけ、だよね。
知識があったから、間違いは起こらなかった。
でも、それでも知識があったから、私は元彼を嫌いになってしまった。
あんなに優しくて、幸せな時間をくれた人だったのに。
…いや、そのことはもういい。
そんなことより。
「て、あれ?彼女、作んないの?」
『うん。ていうか、よく分かんないんだよね。恋愛とか。』
「…私もよく分かんないかな。」
『そうなの?あいって彼氏いたんじゃなかったっけ?』
「そうなんだけど…わかんなくなっちゃった。恋人同士の好きとか、そういうの。」
『ふーん……そうなんだ。』
「でもけいくんは好きよ?」
『えへへー、僕もあい好きー!』
彼と私は、お互いに「相方」という関係を認め、放送を繰り返していた。
友達ではなく、親友でもなく。
相方。
そしてお互いが、お互いに特別な存在だと思っていた。
そう、特別。
恋人ではないが、特別な人なのだ。
いつしか、「好き」と言えるようになっていた。
その意味は、分からないまま。
友情?
愛情?
分からないまま。
ただ、特別で、大切で、大好き。
それだけ。
それだけ、だよね。