雪中恋心
通話を終了して寝る直前にメールをした。
《今日も遅くまでごめんね。ゆっくり寝てね》
そして、届いた返信に驚いた。
《寝るのは、あいが居ない時だけだよ!
……って、メールでは大丈夫なんだけどな…》
顔が発火。
「……なんだよ、もう」
……ずるい
翌日。
いつものように何気ない雑談をしていたときだった。
『…あい。』
「え?」
『…う…うぐぁ、な、なんでもない…』
「…っ…」
『あれ…ど、どうしたの? 嫌、だった…かな…?』
「い、いや……そうじゃ、ないけど…」
真っ赤になって伏せているとは言えなかった。
「けいって呼ぶの、私だけなんだよね?」
『うん、そうだよ』
「…私も、あいって呼ぶ人いないんだよ」
『そうなの?』
「みんな、藍華とか宮園って呼ぶからね。」
『じゃあ……僕だけ?』
「うん。……けいくんは特別だからね」
そう笑うと、彼もつられて笑った。
『…あいも、僕の特別だよ?』