遠ざかる風景。
バスは走りつづける。どんどん郊外へ向かっていた。
途中、ビジネス街の外れで乗客の大半が降りると、座席に空きが目立つようになった。それでも少女は席に着いたままだった。
バスの前方にある料金表示板が次々と埋まっていく。車窓の風景は淋しげになる。程なく、見渡す限りの田園風景が広がる。その見晴らした先には松林が隙間なく伸びていた。その松林の向こうは海なのだった。
「こんなところに学校などあっただろうか」と、僕は口の中でもごもごと呟いてみた。
少女は、降りる気配がなかった。
途中、ビジネス街の外れで乗客の大半が降りると、座席に空きが目立つようになった。それでも少女は席に着いたままだった。
バスの前方にある料金表示板が次々と埋まっていく。車窓の風景は淋しげになる。程なく、見渡す限りの田園風景が広がる。その見晴らした先には松林が隙間なく伸びていた。その松林の向こうは海なのだった。
「こんなところに学校などあっただろうか」と、僕は口の中でもごもごと呟いてみた。
少女は、降りる気配がなかった。