少しの音

パスタ屋さんにつくとたくさんのメニューからいつもの一つを選ぶ。

「カルボナーラ!」

甘すぎず、匂いが気にならない女子メニューとして私のお気に入り。

「じゃぁ俺は、ボンゴレビアンカ」

「それ、美味しいの?」

「俺はいつもこれ」

「ふ〜ん」


パスタを待っている間
何を話したらいいのか

目の前にいる現実を受け止められずにいた。


「なぁ」

沈黙を破るように発せられた音に私はまたドキっとさせられた。

「なんで俺の目みない?」


そんなこと言うもんだから、余計に何を話したらいいかわかんなくなってしまう。


助け船がきたようなタイミングでホカホカのパスタが2つ。

味がわからなかった。

緊張しすぎたかな…
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