少しの音
「詩音ちゃんは彼氏いるの?」

「え?」

カルボナーラを流し込み終わった私にまた突然聞いてくる質問。


「いませんけど…」

「そっか、じゃぁチャンスあるわけだ」

「チャンス?」

「だってタイプだし」


こんなことをさらっと言ってしまうもんだから、私の思考回路はショート寸前。

タイプ?

私だってタイプだよ。

なんだよ、その身長にその顔!
セットされて少し盛られた黒髪に、力強い目
全てに引き寄せられていた。
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