君がいたから

癒し屋って、マッサージやリフレクソロジーとか、そんなん?

疲れてる私にはちょうどいいかも。多少、元気が出るかもしれない。


立地が立地なだけに怪しい気がしないでもないけど、その建物の扉を思い切って開いてみた。

すると、かすかに木漏れ日の匂いがした。

新築っぽいぞ。


木で作られたフローリングも傷一つなく柔らかい色合いをしているし、淡いグリーンのカーテンが居心地の良さをかもしだしている。


ただ、かなり気になるのは、ここの店主らしき人が一人もいないことだ。

「ていうより無人??

誰かいないんですかー?」


綺麗な白いシーツが敷かれたふわふわのダブルベッドがでーんと一つ置いてあるだけの、不思議な空間。

他には何もない。

< 11 / 37 >

この作品をシェア

pagetop