君がいたから
涙が出てくる。
もう、別れなきゃいけないんだね。
せっかくまた会えたのに。
でも、仕方がないことだよね。
こうして再会できたことを、喜ばなきゃ。
「ありがとう……。
どうしてこんなことが起きてるのか分からないけど、すごく嬉しかったよ。
スズメ君が昨日会いに来てくれたおかげで、仕事まだまだがんばれると思う。
つらくなったら、スズメ君がくれた言葉を思い出すね」
「チュンチュン!」
スズメ君は、まるで何かを断ち切るようにファサッと飛び立つ。
その姿はあっという間に雲の彼方に消えてしまったけれど、カチューシャは私の手の中に残ったままだった。
「スズメ君、ありがとう」