君がいたから
高価なコスメとスキンケア用品を使っているとは思えないほど、げっそりした私の顔。
家にも仕事を持ち込むせいか、目にクマができている。
「会社やめたら、楽になるかな」
そんなの現実逃避だと分かっているけど、そうつぶやかずにはいられなくて。
会社行きたくないな。
つまらないな。
こんな日常、ずっと過ごすなんてうんざりだよ。
学生の頃に戻りたい。
ああ、かなり後ろ向きだな、今日の私は。
…………。
うるさい喧騒も子守唄に聞こえてしまうほど、私の体は睡眠を欲しているみたい。
歩いているのに、
まだ帰宅途中なのに、
まぶたがかなり重たい。
一人暮らしのアパートには、ここから歩いて5分の駅から電車に乗らないと帰れない。
「めんどくさいな。
どこかに泊まってこうかな……」