好きって言って!(短編)
「見ない顔だね、一年生?」
隣に座って話しかけて来たのは、崇と名乗る一つ上の先輩だった。
多分イケメンと呼ばれるタイプの顔をしてて、ふわっとした茶色い猫っ毛が印象的。
背も私よりだいぶ高いんじゃないかな。
話しやすそうだけど初対面の人って緊張する。
「えーと、はい。
友達に連れて来られて」
そう言いながら和泉に目で助けを求めたのに、私のことなんか気にもせずに隣の男子と楽しそうにお喋りしてる。
無理矢理連れて来たくせに、無責任なんだから。
「じゃんじゃん飲んで。
一年生はタダだから」
「私、アルコール駄目なんで」
そう言うと、崇先輩は私のためにウーロン茶を注文してくれた。
きっと淳也だったら、自分で頼めって言うと思う。
ちょっとした女の子扱いでも、久しぶりだからか、新鮮ですごく嬉しい。
こんな人と付き合えば、今みたいに毎日傷付くこともないんだろうな…。
ぼんやりそんなことを考えながら、気付けば短時間でウーロン茶ばかり5杯も飲んでいた。
「ちょっと失礼します」
そう言ってトイレに立ち上がったものの、何か頭がふらふらする。
あれ、足元もぼやけてきた。
「菜々!
ちょっと待って!
あんたが飲んだの、私のウーロンハイだよ!」
何だ!その、お約束みたいな展開…。
和泉の声に心の中でツッコミながら、私の意識はそこで途絶えてしまった。
隣に座って話しかけて来たのは、崇と名乗る一つ上の先輩だった。
多分イケメンと呼ばれるタイプの顔をしてて、ふわっとした茶色い猫っ毛が印象的。
背も私よりだいぶ高いんじゃないかな。
話しやすそうだけど初対面の人って緊張する。
「えーと、はい。
友達に連れて来られて」
そう言いながら和泉に目で助けを求めたのに、私のことなんか気にもせずに隣の男子と楽しそうにお喋りしてる。
無理矢理連れて来たくせに、無責任なんだから。
「じゃんじゃん飲んで。
一年生はタダだから」
「私、アルコール駄目なんで」
そう言うと、崇先輩は私のためにウーロン茶を注文してくれた。
きっと淳也だったら、自分で頼めって言うと思う。
ちょっとした女の子扱いでも、久しぶりだからか、新鮮ですごく嬉しい。
こんな人と付き合えば、今みたいに毎日傷付くこともないんだろうな…。
ぼんやりそんなことを考えながら、気付けば短時間でウーロン茶ばかり5杯も飲んでいた。
「ちょっと失礼します」
そう言ってトイレに立ち上がったものの、何か頭がふらふらする。
あれ、足元もぼやけてきた。
「菜々!
ちょっと待って!
あんたが飲んだの、私のウーロンハイだよ!」
何だ!その、お約束みたいな展開…。
和泉の声に心の中でツッコミながら、私の意識はそこで途絶えてしまった。