《短編》いじめないで! Don't bully the weak
そしたらぴったりではなかったけど、いい感じに余裕が有ったので、
「身体が成長しても大丈夫ね」
なんて……さっきまで死んでいた筈の私は、将来のことを考えていたの。
自分でも可笑しくって、声を立てないように笑ったわ。暗く静まり返った昇降口で。
でもゆっくりしている暇は無かった。二階の職員室からその時、引き戸を開く音がしたから。
私は当直の先生に見付からないように校舎を抜け出し、落ち葉を集めたビニール袋を掻き分けて血だらけの制服を捨てると、普通に家へ帰ったの。
夜の仕事をしているお母さんは当然居なくて、いつものようにラップが掛かった一人分の夕食だけが私を迎えてくれた。