《短編》いじめないで! Don't bully the weak
「ほら不死子。刺身包丁をお見舞いしてやる」
「やめて!」
「なんだと? それが人に物を頼む態度か?」
「や、やめて下さい」
「そんなんで足りるかよ」
ブシュ
いじめっこの包丁が私の肺を貫く。ブヒュブヒュと開いた穴から空気が漏れ出してきた。
「はははっザマァねえな。ブタみたいな音出して」
言い返したくても空気が漏れ出てしまうので声も出せない。
「その汚ねぇ血溜まり、自分のなんだから拭いておけよ」
ブヒュ ブヒュヒュ
私が自らの血を雑巾で拭きながら泣いていると、
「また汚ねえもん撒き散らしやがって!」
と唾を吐きかけられる。