《短編》いじめないで! Don't bully the weak
─────デ
そう気が付いた私の目の前に、薄暗い校舎裏のコンクリートが飛び込んで来た。
そして全身が熱くなり、溢れ出す血と自分の脳みそが見えた。
「自殺って、死ぬ瞬間も幸福で居られないんだ……」
「そうさ。更にあの世に行ってもまだ、その苦しみ以上の責め苦を受けなければならない。フフフフ」
立ち上がって振り向くと、そこには大鎌を担いだ死神が楽しそうに笑っている。
足元を見下ろすと、頭の割れた女子生徒が冷たいコンクリートの上に突っ伏していた。
「そう、お前さ。もう助からない」
「死んでもまだ、私は苦しまなきゃいけないの?」
「当然だ、この世の修行を投げ出したんだからなっ」
スパッと魂の緒が切られ、私は死神に連れられて行く。