《短編》いじめないで! Don't bully the weak
そしてまたある日。放課後、いつものように屋上でからかわれていた私は、肩を押された拍子にヨロヨロとよろけてしまい、その勢いでフェンスに張られていた金網を突き破ってしまった。
「やべえ、不死子が落ちたぞ」
「俺知らねえ。お前らも黙ってろよ」
その頃は毎日、死ぬことばかりを考えていた。でもいざとなると、二の足ばかり踏んでしまっていた。死にたかったのに、この世から消えてしまうのが堪らなく怖かったの。
でも落ちながら私が感じたのは「これで終わるんだ」という安堵の気持ちと、全身を柔らかく包み込む幸福感だった。