一途愛
「本気なの。付き合ってほしいの。」

美里の声だった。

「悪いけど…タイプじゃない。」

「努力する。」

「無理だな。」

「どんなのがタイプなの?」美里の声が震えている。

あのプライド高い美里が ふられても果敢にアタックしている。

「好きになった女が…タイプ。」

ふざけた答え方気の毒になった。

「おまえ彼氏いたんだろ?戻ればいいじゃん?」

「私は真剣だから…。」

「俺は…簡単に人を信じない性格なんだ。」


美里が走っていく足音が遠くなった。


タイミング悪かったな


すぐ出たら盗み聞きしてたみたいで…イヤだなと
思っていたら

「遅いな。遅刻だぞ。」
龍の声

「知ってた?どうして?」

もう来るかなって思って迎えに来たんだ。

私が出て行くと龍が目を丸くした。

「な…何?」焦る私

「可愛いじゃん~~~そういう感じも可愛いな。」

「やだ~~ほんと?」

うれしはずかし 幸せ気分。

龍・・・私のことは信じてくれているの?


本当の龍は…どっちの龍なんだろう。
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