一途愛
龍は私の前に戻ると 机を直してくれた。

「ありがとう。」

龍は無表情に 自分の机を揃えて座った。

そこにいるのは
いつもの甘い龍じゃなくて
全然違う龍だった。


近寄りがたい顔をして 自分の席についた。


龍が遠くに感じて一気に不安になる。


HRが終わり みんなが教室を出て行った。
まだ今日の約束をしていなかった。


今日は一緒に帰れるって聞きたい。
でも なんだかそんな空気が龍には今 ないような気がする。


龍がカバンを持って教室から出ると

「もう~~めっちゃカッコいい~~。
ヤバすぎだもん~~絶対私のものにするから。」

美里は大声で宣言した。


うらやましいなって思った。

同じ女の子でも 
自信のある子とない子の違いはハッキリしている。



私だって龍は私と付き合ってるんだから
あんたは無理だしとか

言ってみたいものだなって思った。
いつまで龍との関係を秘密にするのか…


そう思うともっともっと強くならないとと焦ってくる。


だって龍は本当に
ヤバイほどかっこいいんだもん。
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