一途愛
不安と切なさ
学校を出て人が少なくなったところで
携帯をそっと出してみる。

メールが来てた。

嬉しくて慌てる。

「いつものとこで先にまってるから 早く来いよ。」

龍のいつものメールにさっきまでの不安さが
一気に吹っ飛んだ。


私のお天気は晴れたり曇ったり……
龍によって簡単に変わってしまう。

なんだかバカみたい自分……。


だけど龍と二人になれる嬉しさが勝っている。


龍を見つけた。
誰かと話をしている。

私には気づいていない様子だった。


また 私の知らない龍がそこにはいる。


悲しそうに見えるのは私だけ?
なぜだろう
龍が辛そうで…この電話はきっとイヤな電話なんだろうと察した。


龍の前に出るのをためらう私……。


龍の知らない顔に 踏み込めない私がいる。
電話をやめて 龍が空を見上げた。


今度は切なそうに見える。


抱きしめてあげたい 母のような気持ちになる。


私の知らない龍を知るのが怖くなった。

龍は私を見つけるといつものように満面笑みになって
私の大好きな龍になった。
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