一途愛
「龍はお正月とか…東京に帰るの?」

私はまだ龍のことあんまり知らなかった。
東京から転校してきて おねえさんがいて・・・・
大豪邸に住んでいて……お母さんが亡くなってる…。
なんとなく親の愛に飢えてる感じ…。


「帰んないよ。どうして?」

「一緒に初もうでいけるかなって…思ったの。」

「いけるよ。」

嬉しくて龍にしがみついた。

龍は 優しく微笑んでくれる。


「でも龍の実家は東京なんでしょう?
いいな~東京は一年中雪がふらないもの。
もうすぐここも雪山になっちゃうから。」

これからの半年間にうんざりする。


「俺は札幌大好きだよ。
四季があるから。雪は憧れだったな~。」

「半年間埋もれてたら そんなロマンチックなこと
言えなくなるよ~~。」

「そっかぁ~。」

「私は東京で冬だけ暮らしたいな~~。
夏は暑いから無理だけど。」

「蒸し暑いからな~~~。」

「お父さんが東京にいるんでしょう?
会いにいかなくていいの?」
思いきって踏み込んだ。


「とっとと不倫相手と再婚して 最低なやつだよ。」

そうなんだ……。それは最低だ……。

「おばあちゃん家はおかあさんの実家なの?」

「いいや~~クソ親父の実家~~。
でもじいちゃんもばあちゃんも 俺はちっこい頃から
大好きだったから。
親父といるのがイヤだったから こっちにひきとってもらったんだ。」


一つわかった龍のこと~~~。


いろいろあるんだね……。
でも私 龍とあえてよかったよ。
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