一途愛
ボーリングは全てきれいに 一本も倒すことなく撃沈。

龍も秀樹もそしてミチルもすごくうまくて
結局龍が五回 秀樹が四回 ミチルが一回
勝って長い勝負を終えた。

龍が投げてる間 秀樹がミチルにひっついて
なんだか感じが悪かった。

ふり向いて戻ってくる龍に わざとに見せつけてる。

でも龍はそんなことを気にしない様子で
私の横に座って ニッコリ微笑んでくれた。

私は
「すごい すごい~~。」
思わず手を叩いてしまう。


秀樹が
「龍 ちょっとなんかかってこようや。」
と言った。

龍が
私を気にしながら 秀樹の方へ歩いて行った。

「ねぇ 姫ちゃん。
龍と どこで知り合ったの?」

私の横に座って 目をくりくりさせて話かけてきた。

めっちゃ可愛い……。

「学校です。席が隣だったから。」

あの夜のことは言わなくていいだろう。

「そうなんだ。
龍は優しいの?」

「はい とっても優しいです。」
あんまりよけいなこと 言わないでおこう…。

「優しいんだアイツ…。
猫かぶってる…。うふふ…。」って笑った。

「ほんとの龍を…まだ知らないんだ~~。」

一瞬 可愛かった顔が 美里のように意地悪く感じた。
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