一途愛
「あの人たちは仲良しだったの?」
帰り道 龍に尋ねた。

「秀樹とは幼稚園ん時から ミチルは一緒だったらしいけど
おぼえてなくて・・・・小学校からかな。」

「そんな近い人とおとうさん再婚したの?」


驚いて思わず踏み込んだ。

龍が無言になったから 私は悪いこと聞いちゃったって後悔…。

「ごめんなさい。」

「あ いいんだ。そうなんだ。
だからビックリした……。どういう神経してんだろって。」

本当だ・・・・。
自分の愛人と愛人の娘を 妻子の近くに置くなんて
どういう人なんだろう。
鬼のような人だと思った。


そして図々しく 妻が死んだからって子どもを追いだして
そこに居座るなんて ミチル親子は最低だと思った。

「もうあんまりあいつらの話はしたくないんだ。」

龍が苦しそうだった。

「わかったよ。ごめんなさい…。
明日はどうするの?」

「バイクに乗れたらどこでも行くんだけどな~。」

「私も付き合うよ。いい?」

「サンキュー。」

龍が抱きしめてくれた。


ミチルの言葉を思い出す。
なんであの人が エッチな龍を知ってるんだろ。


もしかしたら・・・・二人は付き合ってた?


心に大きな疑問が住みついて
波が大きくなっていく・・・・・・。
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