一途愛
「俺らずっと過ち犯したんだ。
俺とおまえは父親が一緒のきょうだい。
だからかーさんは猛烈に反対したんだ。
自分の…命削って 俺に教えようとした…。」

ミチルの大きな目から
きれいな涙が流れ落ちた。

「全ては親父の卑怯さから始まったことだ。
そんな人間の血が流れてるなんてけがらわしくて
たまらない……。俺もおまえも
その血が流れてる……。」


ミチルが泣き崩れた。

「ごめんな 姫……。」

「あ……あ うん……。
大丈夫 一人で…帰れるから……。」


龍・・・・・・
お願い

私を・・・・選んで・・・・・。


部屋を出る寸前まで 私はそう願い続けた。


ドアを閉めた瞬間
「私を愛してた?」ミチルの声

そして

「愛してたよ・・・・。
生きていて・・・・初めてだった・・・・。
真剣になったの……。」

龍の声に耳をふさいで 逃げるように
龍の家を飛び出した。


ね・・・・私 どうしたらいい?
龍を受け入れられる?
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