一途愛
パパはまだ複雑な顔をしていたけど
ママの勢いの方が強い。

「姫が最近 すごく変わったのは 龍くんの
おかげなのね。だけど数日間はかなり
落ち込んでいた様子で すごく心配したんだけど
大丈夫ね?もう解決した?」

「すみません。心配かけて。
姫を怒らせてしまって 電話にも出てもらえなくて。
でもやっとわかってもらえました。」

龍ってこんな顔もできるんだ・・・。

学校では誰もよせつけない冷たい顔をしてるけど
にこやかで爽やかで・・・・・


いつもの龍も好きだけど
今日の優等生風の龍にも ときめいちゃってる。


「姫のことよろしくね。
この子・・・いろいろあって殻に閉じこもって
私たちもなんとかならないかって学校に行って
先生とお話したりして 道を模索してたんだけど
本人が心を閉ざしちゃってて…
状況を変えるには まずは姫が変わらないと……
そう思ってずっと待ってきたの。
だからすごくうれしいわ。
友達通り越して 最初に彼氏を連れてくるなんて
想像外だったけどね パパ?」


「え?あ ほんとだ・・・・。
パパ まだ心の準備まったくできてなかった。」


「ね?うちのパパは姫が命なの。
もちろん私もそうだけどね。」


私も 心を開けるのは両親だけだった。


「姫を 変えてくれてありがとう。
これからもよろしくな。」


パパが龍に頭をさげた。
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