一途愛

宗方はただ　ずっと黒板を見ているだけで
結局一度も他のことはしなかった。

なぜか　先生たちもあえて何も言わない。

　　勉強わかるのかな

放課後に向かって私は家に早く帰って
ルナタに会うことばっかり考えている。


「ちょっと　大関姫　今日掃除変わってくんない？」

クラスの女子のボス的な存在の恵美が
私の席の前に来て言った。

「あ　私…今日はちょっと……。」


「は？あんた最近　何そんなに急いでんの？
どうせやることないんでしょ？
よろしく　それから明日は美奈の分
その次は利香の分　わかった？」


逆らうことなんかできない。


私が黙っていると　恵美は
ケラケラ笑いながら

「少し働いて　体動かした方がいいよ。
大関さん。」そう言うと


またクラスが笑った。


いつものことだけど　今日は転校生の前で
そんなこと言われるのが辛かった。


　　こいついじめられてんだ

そんな風に頭にインプットされていくことが
すごくイヤだった。