一途愛
「気にすることないよ。」
亜美たちが気遣ってくれた。


「ありがと。亜美や未来や由美がいなかったら
私 けっこう辛かったよ。」


「みんな妬んでんだよ。
宗方 カッコよくて女子なんて先輩後輩まで
キャーキャー言ってたし…
美里が一番ショックだろうけどね。」

三人がクスクス笑って

「いい気味だね~」と笑っていた。


昨日のケンカのこともあって まだ龍と目を
合わせられなかった。

おまけに心がズタズタで…早く一人になりたくなった。


龍と付き合ってるだけで 何でこんなひどいこと
言われたりするんだろう。
今までも言われては来たけど 不思議にあの時の言葉の方が
まだ許せた。

案の定 龍への中傷が多くて
申し訳ない気持ちで一杯になる。
そして私と付き合ったばっかりに…そう思うと
情けなさで心が折れた。


HRが終わると 龍が私の前に立った。


みんなが一斉に注目する。


「帰るぞ。」

まだ巻いていなかったマフラーを巻いてくれたら
亜美たちから

「キャ~~」と黄色い声がした。

「あ……でも……。」まごまごしてると
龍は私の手を引っ張って 教室を出た。


「もう堂々としていいんだろ?」

龍が私の手を握って廊下を大股で歩く。


ギャラリーがくぎ付けになっている
視線が突き刺さる。
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