一途愛
携帯が鳴って
あ 龍から~~と喜んだら

三浦 綾人 って書いてある。


達人だ・・・・・。


「もしもし。」

「姫ちゃん?全然電話くれないからしてしまった。
今 いい?」

「あ はい。」

「今日って時間ある?」

あると言えばあるけどね・・・・・。

「店来ない?」

「そう言えば 髪の毛も伸びきってるし・・・・
あ 行きます。伊織さんのお店でいいんですよね。」

「あ 俺あそこやめたんだ。
今 違う店にいるから 迎えに行くよ。」


大きな交差点のそばの時計のまえで待ち合わせした。


お店やめちゃったんだ……。


大丈夫だよね……。


しばらくして 向こう側から達人が走ってきた。


龍の凛々しさとはまた一味違う
可愛い顔をしてるなって見とれていた。


「お待たせして~~行こう。」


達人は私の手をとって足早に歩きだした。

その手を振り払いたいのに
言えない私はぎこちなくされるがままついて行く。
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