一途愛
夢のような時間だった。
恥ずかしかったけど 違う自分になって少しだけ
違う私を演じてみた。

カメラが何回もシャッターの音を発した。

「いいね~~。」

店長と一緒に綾人が盛り上げる。

なんだかモデルになった気分。

「いい仕上がりになりそうですよ~~。
広告になる時は 三浦から連絡させます。」

店長が笑顔で言った。

「ありがとうございます。」

幸い今日の洋服もお洒落してきたから
なんとかこの変身についてきてくれた。


「じゃあ ありがとう。」

店を出ようとすると 綾人が近づいてきた。

「ほら見てごらん。
みんな姫を見てる。」

おそるおそるふり向くと視線を感じた。

スタッフが
「三浦さん こちらのお客様がそのモデルさんのように
してほしいっておっしゃってますので お願いします。」と
声をかける。

「はい 只今。」

綾人は私に

「今日から俺 忙しくなりそう。
また連絡するよ。」

「はい。」


違う私が外に羽ばたいた。
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