一途愛
断る理由もなくて 私は綾人の後をついて行った。

「ハンバーグにドリンクバーゆっくりできるだろ?」

「あ でもそんなゆっくりは・・・。」

「あ そっか高校生だからな。
帰り送ってやるよ。車で来てんだ。」

綾人は少し強引で私はその強引さの波にのまれている。


「うん マジ評判よかった。
あのあと 姫を見てた客から ああいう髪型にしてって
指名受けちゃってさ。
今日はめっちゃ指名料も入ったし
おごっちゃるよ。姫のおかげだし。」


近くでマジマジ見る 綾人は本当に男というよりは
少年のようで どっちかっていうと
龍の方が落ち着いて見える。

会話もスムーズに流れて 私は話題を探さなくてもいいから
一緒にいても楽ちんだった。

「俺らの仕事って お客さんと接するのに
けっこう勉強するんだよ。新聞は毎朝一時間はかけるね。
学校時代勉強あんまりしなかったけど
今になってやってる感じ。
話題作りで大変なんだ。」


「そうなんだ。私はあんまり話かけられるのは
好きじゃないから・・・・。」


「そう言う人には早めに空気読まないと もう来てくれなくなるから。」

綾人と話してると楽しい。
私はひたすら 感心したり笑ったり
楽しい時間を過ごしていた。

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