一途愛
「ただいま。」パパが帰って来た。

龍のおじいちゃんの社葬に参列してるとママが言っていた。

私は塩を持って 玄関に迎えに行った。

「おかえり 龍いた?」

私はパパに塩をふりかけた。


「すごい人でさ。いたはいたけど話できる
感じじゃなかったな。素晴らしい葬式だった。
龍くんは いい男だな。」

「やつれてた?」

「わかんないよ 話てないんだから。」

パパの後について回って あれこれ質問したけど

「会長は孫である龍くんに 息子で社長の誠氏とともに
会社を盛り立ててほしいと遺言していたって言ってたぞ。
龍くんは やっぱ次期社長だな。
ってことは姫は…社長夫人か?」

「やめて!!パパ デリカシーなさすぎ!!」

私が怒鳴ると ママがパパの背中を叩いた。


「龍くんはおとうさん似なんだな。よく似てたよ。
おかあさんもキレイな人だったし妹さんがまた
愛らしい子だったな。もう一人歳の離れたキレイな人は
おねえさんだっていってた。
美男美女家系なんだな。」


ミチルも来てるんだ…
急にまた不安になったけど


ううん やめよう
私は龍を信じてるんだもん。
もうそういうことで 振りまわされるのはやめた。

龍からの電話を待ちながら
昨日の寝不足もあって私はすぐに寝てしまった。

いろんな夢を見た。
なのに最後は必ず 一人ぼっちはイヤダと泣いていた。

起きても忘れられない孤独感に苛まれた。
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