一途愛
朝焼けを二人で見ていた。

「いつ発つの?」

「明日。」

「見送りいかないから……。」

「うん。ここから一人づつ違う道を行こう。」

「頑張って……。」泣きそうなのを我慢した。

「姫も また今度会う時 楽しみにしてるから。
これから先も もっともっと自分に自信持って
輝いてほしい。」

「輝かせてくれたのは 龍だよ。」

「俺は生かせてもらった。」

つないだ手に力がこもる。

「これからはお互い自分だけの力で 輝こう。」

「うん。龍がビックリするような女になってるよ。」

「この別れを後悔するくらい 輝いてろよ。」


待ってる


そう言いたかった・・・・。
だけど 待ってるって言葉は きっとお互いを苦しめるから


それぞれの人生を受け入れながら
二人が一緒になることが運命だと確信した時
また手を取り合おう。


お互いを信じあっている。
だけどこれからが本当の意味で 試される時なのかもしれない。


二人はこれから自分の力だけで
いつか会う未来のために 別の道を歩く。

「さよなら。」私は満面の笑みをつくった。
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