一途愛

拓実がとても人気があると聞いていた。

「龍の再来だよ。ほんと。あの子もすごかったけど
拓実も負けてないね。
よく似てるしね。姫ちゃんに異常に関心もつとこまで
そっくりだったり？」

おばあちゃんもニコニコ笑顔。

私は一カ月に一度　伊織さんファミリーとおばあちゃんと
食事するようになっていた。

伊織さんは店のオーナーと主婦家業で忙しそうだけど
輝いていた。
おばあちゃんが　まだまだ元気だから拓実の面倒を見てくれている。


「どう？仕事は慣れたかい？」松島さん

「大変ですね。現場っていろんなことが起きてその時の
対応が遅れると大変なことになってしまうから
毎日緊張してます。」

「医療現場は戦場だからな。今にちゃんと経験が積み重なって
いい仕事ができるようになるよ。」

「松島先生にそう言ってもらえるとホッとします。」


「おとーさん　もう姫と話しちゃダメだ。」

拓実が間を割って入る。

「タクちん　ヤキモチ焼きだもんね。」

可愛い小さな恋人がいるし　とりあえず今は
寂しくないもん。



「タクちんも　龍みたいな素敵な男になってね。」


拓実のちいさな背中に語りかけた。