一途愛
混乱している。
今まで抑えていたのが急に目をさましたような
ざわめきを感じた。

葉月との再会も衝撃的だったのに
龍が葉月に会いに帰ってくるということに
動揺を覚えていた。


ただ幸い忙しい仕事が一瞬だけ私を そこから
救ってくれている。
いつものように毎日精一杯やることしかない。

「大関さん だんだん看護師さんらしくなったね。」

車いすで検査室に運ぶ途中の患者さん

「そうですか?もう精一杯です。
ご迷惑かけてごめんなさいね。」

「いやいや 初々しくて反対に元気もらってるよ
部屋の人たちともよく話してるんだ。」

「うれしいです~~。
元気もらっちゃった~~頑張ります~~。」

怒られることもあるけど
こうやって褒められると即効性の元気が湧いてくる。


心をこめて…初心忘れず…
患者さんの看護にあたる。

この必死さを忘れないでいたいってそう思ってる。

しばらく葉月とは会ってなかった。
この病室の前を一日何十回も通っていて 気づかない私も私だけど
葉月はずいぶん前から私を見ていたって言ってた。


かっこわるい私を
たくさん見せていたのが
少し悔やまれるけど・・・・・・・。
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