一途愛
その日は突然だった。
夜勤明け寸前に よく声をかけてくれていた患者さんが
亡くなった。
検査室を往復したのはついこの間だったのに……。
私には初めての悲しい送り出しだった。
先輩看護師に指導されて 患者さんの闘い抜いた体を
安らかに眠るお手伝いをさせてもらう。
涙がボタボタと落ちた。
「大関さん しっかり。」
先輩に叱責される。
家族の人の泣き声が廊下から聞こえて
私はもう患者さんによくしてもらったことが
走馬灯に頭によぎり続けていた。
涙でくもる目をごしごしと何度も拭いた。
終わったあと先輩が
「私も最初の頃はそうだったわ。おつかれさま。」
そう言って肩を叩いてくれて さらに泣けてきた。
廊下に出て 家族に声をかけるのも涙で
奥さんは毎日お見舞いに来ていて
よく話をしてくれていた。
「大関さん 最後にあなたに見てもらえて
夫きっと喜んでるわ。」
私は口をおさえて嗚咽を止める。
こういうことは病院ではよくあること。
だけど今日は初めてで それも落ち込む私に
元気をくれた患者さんだった。
「頑張って きっといい看護師さんになるわ。」
奥さんは私を抱きしめてくれた。
詰所に戻ると
「おつかれさま。」
先輩たちが優しく微笑んでくれた。
夜勤明け寸前に よく声をかけてくれていた患者さんが
亡くなった。
検査室を往復したのはついこの間だったのに……。
私には初めての悲しい送り出しだった。
先輩看護師に指導されて 患者さんの闘い抜いた体を
安らかに眠るお手伝いをさせてもらう。
涙がボタボタと落ちた。
「大関さん しっかり。」
先輩に叱責される。
家族の人の泣き声が廊下から聞こえて
私はもう患者さんによくしてもらったことが
走馬灯に頭によぎり続けていた。
涙でくもる目をごしごしと何度も拭いた。
終わったあと先輩が
「私も最初の頃はそうだったわ。おつかれさま。」
そう言って肩を叩いてくれて さらに泣けてきた。
廊下に出て 家族に声をかけるのも涙で
奥さんは毎日お見舞いに来ていて
よく話をしてくれていた。
「大関さん 最後にあなたに見てもらえて
夫きっと喜んでるわ。」
私は口をおさえて嗚咽を止める。
こういうことは病院ではよくあること。
だけど今日は初めてで それも落ち込む私に
元気をくれた患者さんだった。
「頑張って きっといい看護師さんになるわ。」
奥さんは私を抱きしめてくれた。
詰所に戻ると
「おつかれさま。」
先輩たちが優しく微笑んでくれた。