一途愛
何冊目かの雑誌は 経済本だった。

「これはないよ~~。」

「ごめんごめん~~。」綾人が笑った。

パラパラと開いていると


龍だ・・・・・・。


アメリカ帰りのイケメン御曹司
お家事情をどう調理する?

皮肉った見出しだったけど 龍がアメリカで
どんな勉強をして周りの評価はどうだったとか
優秀で冷静な判断ができるとか
若いけれど 何かしてくれるような期待感

傾きかけた企業をこれからどう立て直すのか
社長である父親につくのか
それともまっすぐに会社を守って来た故会長の
教え通りやっていくのか

これから注目していきたいと書かれていた。

龍の写真はこの間の龍よりずっと
大人に見えた。
あの時でも距離があったのに ここにいる龍にはもう
抱きつくことも触れることすら許されないような…。


龍の闘いは 始まったんだと思った。


そんな中で 私は・・・・
私だけは龍を 困らせてはいけない。

龍はおじいさんの遺言を守るために
私と別れて 旅立った。
そして今 その闘いが始まった。


龍の孤独さを 感じた。


龍を苦しめることだけは…しない……。
そう決意した。
< 304 / 416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop