一途愛
「美里のこと頼みます。私の大切な友人だから。」

「頼みますって仕事のことなら全然~
美里ちゃんがビックになってくれたら俺も潤うし。」

「それだけじゃないよ。いろいろとね。」

「それって精神的な面?なら…ちょっと無理かな。
俺 忘れられない女がいるんだよね。
もうある意味 神的な女。」

「神的ってわからないわ。」

「触れることもできないってこと。」

「片想いなの?」

「そんな想いを告げるなんてできないから神なんだって。」

「美里が敵わないってどんだけの美人なんだか。」

「うん。めっちゃキレイだよ。
あんまり今まで見たことないし……。」

「そっか。美里いい子だから…きっと
その神に勝つ日が来るから…お願いね。
親友なの。いろいろ乗り越えてきた大切な子なの。」

「姫に言われると弱いな。」綾人が笑った。

「これから彼氏に会いに行くの?」

「うん。どうなるか先は見えないから緊張する。」

「一途だね。俺の知ってるなかに いないよ。
天然記念物だわ。」

「私の今までの人生の中で 彼しかいないもの。
だから乗り越えられるか心配。」

「ん?」

「ううん。ありがと。頑張るよ。」

「姫の手伝いができてよかったよ。」

綾人はそう言うと部屋を出て行った。
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