一途愛
龍が目を覚まさないうちに身支度を整えて
そして最後のキスをした。

「さよなら。ここを出たら
もう忘れるからね。
辛すぎて 思い出したくないから…。
もう…記憶から削除するから…。」

そう言いながらも私はまた龍にキスをする。

未練だらけ
最後まで・・・・。
でもここを出たらもう忘れる・・・・。


忘れるから・・・・。

だから龍は 悩まないでね。


後ろ髪をひかれながら 深呼吸をして
龍の部屋のドアを開けて・・・・閉める。


終わった・・・・。


私と龍の一途愛はここでピリオド。


絶対泣くもんか……。


やっと明るくなった空
タクシーをひろった。


「ばいばい・・・・。」


龍が眠るマンションにそう言った。


終わった
全部もうこれでおしまい・・・・。
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