一途愛
後悔の波が押し寄せる。
もっと早く気づいてあげられなかったんだろうか。

あたりまえのように部屋で
私を迎えてくれるルナタを簡単に撫ぜる日だけが
ここ最近続いていた事を後悔した。

そしたらこんなに早く
ルナタを失うことはなかったかもしれないのに
どうして自分のことしか考えられなかったんだろう。


「姫…ごはんは?」ママが心配して何度も見に来てくれた。

「いらない。」

「でも食べないと…仕事ももう休めないよ。
わかってる?師長さんのご厚意で今週一杯いただけたけど。」

「わかってる。
この休み中には…切り替えるよ。
心配かけてごめんなさい。」

ママは静かにドアを閉めて階段を降りて行った。


龍のことで必死に踏ん張っていたのも
ルナタを失ったことで同時に爆発した。
後悔は龍のことでもよぎったけど

違う違うこういう運命だった…そう言い聞かせた。
じゃあルナタも?

いやルナタは私のせい……。

「ルナタ ごめんね。」


龍とつながっていたルナタも私から去って行った。


たくさんの愛と思い出と壁の爪あとを残して。
休みの最後の日は なぜか一日中眠っていた。
たくさんの夢を見た。

ルナタがいる風景。
私を甘えた顔で見上げるルナタ
そしてルナタを優しく抱き上げる龍の顔。

幸せな夢だった。
目が覚めて 涙で髪の毛まで顔に張り付いていた。

「頑張るよ。元気を持ってきてくれてありがとう。
ルナタ・・・・龍・・・・・。」

今 輝くために 頑張るからね。
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