一途愛
「ずるい人間だったら 私のことどこかに隠して
一緒にいようとするでしょ?私もそれでもいいかなって半分
思ったんだけどね…。だけど龍はそんな人間じゃないの。
私ね ずっといじめられっ子で…友達もいなくて…卑屈で…
だけど龍に出会って 心を矯正されたんだよ。」

なんだかおかしくなって笑った。


「思いだしちゃった。ホントに信じられなかったの。
龍みたいな素敵な人が優しくしてくれたり 好きになってくれたり
どこかで騙されてるってずっと不安だったんだよね。
自分に自信が持てなくて…いつも龍を疑ってた。
好きになるとその気持ちはどんどん強くなったの
だって龍はあんなに素敵で
キレイな女の子にモテモテで…私なんて
ドブスでデブで頭も悪くて…何一つ取り柄がないんだもん。
だけどね 龍が変えてくれたの。
龍は信じられるよ。世界のみんなが嘘ついても
龍は信用できるって私は思ってる。今でもね。」


思わず恋敵に語ってしまって
バカな私・・・・・。


「知ってるよ。龍が嘘つかないこと。
バカ正直なくらいね。大関さんに心をたっぷり
残して別れたってことくらい わかるよ。
私だってバカじゃないし。
私がいなければ よかったでしょ?」


「それだけじゃないよ。
龍には抱えてるものが大きいの。
責任と重圧と…それを支えてあげられる器は
私にはないもの。」


葉月の父親が 龍の会社のバックアップをしてるようだし


「大関さんは いいの?
龍に 未練ないの?」


葉月の目がまっすぐ私を見てる。
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