一途愛
葉月の手術日だった。

今頃 龍も駆けつけているんだろうなと
思ったりすると少し ざわついた。

大きな手術になるようだったから
うまくいくといいと思った。


龍が幸せならそれでいい。
自分が誰かの幸せを願って生きていけるというのは
幸せなものだなって思った。
人を恨んだり憎んだりしない毎日であることが
どんなに幸せなことなんだろうって。

それは全て龍の贈り物だなって・・・。

「ほんと私どんだけ 龍信者なんだか。」

おかしくて吹き出した。

廊下の掲示板に求人の文字を見つけた。


求む 医師 看護師


医師看護師不足の 街の病院勤務
産婦人科勤務

「産婦人科か~~~」


私が看護師になりたいと思った原点


いつか生まれたての赤ちゃんを抱ける仕事がしたいな。


「そう言えば最近たくしゃんに会ってないな。」


なんとなく視線を感じて その方向を見た。

誰もいない・・・・。


「やばい~~。急がなきゃ。」走り出す。

龍が私を見てたって気づかなかったけど・・・。

< 327 / 416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop